山野本竜規の続・ナカトリモチ日記
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自ら過去世を見る、感じることに意義があるのか。~素人には限界があります~

2015年08月15日

自ら過去世を見る、感じることに意義があるのか。~素人には限界があります~このレトロな造りの内装は、先日の台北出張の際、
依頼主のオフィスで許可を頂いて撮影したもの。

台湾がまだ日本統治時代の1920年代初期に建てられた
日本式のコンクリートの重厚な造りのビルで、
そこにほんの少しだけ現代風のアレンジを加えて
居心地の良い空間を造り出しておられました。

台湾出張のことを記したブログでも、お伝えしたばかりですが、
こういう古いものを活かすのも、亡霊にしてしまうのも、
そこに携わる人の向き合い方、崇高な想い、生き方次第だ・・・ということを
再確認することが出来た土地家屋の鑑定、お祓いでした。

依頼主のご夫婦は旦那さんが建築家、奥さんがインテリアデザイナーで
お2人揃って、古き良き時代のものを現代風にアレンジして
更に居心地の良い空間を作り出すプロでもあります。

そして、このお2人が、古い建物の中でも特に「ピン!」と来たもの、
つまりは、しっかり手を加えてアレンジしたら更に良いものに変わっていきそう・・・という
物件を見つけて、その作業に取り掛かる際、必ず建物や空間に語りかけられるそうです。

「これまでは古い歴史の中で、色々な人たちがあなた(建物、空間)を利用してきたと思うけれど、
今度は私たちがしっかりと、それらの歴史を受け継ぎ、受け止めますが、
だからと言って、全てを引き継ぐ訳ではありません。
良い空間、良い雰囲気作りのために、最善を尽くしてここを改築させてもらいますので、
どうぞ、これからも宜しくお願いしますね。」と。

こういう心ある空間作りが出来る方、想いのある方がいらっしゃるからこそ、
古い空間、古いエネルギーの新陳代謝が上手くいき、
更に良いものに形を変えて、その空間に触れる人たちに良い影響を与えるものだと
直観的に感じることが出来た、とても素晴らしい仕事をされるお2人だな・・・と思いました。

これは古い建物や、その古い建物に宿るエネルギーだけの問題ではなく、
僕たち人間、1人、1人にも全く同じことが言えると思います。

僕は過去に海外のエネルギーワークを主体とする団体で、
過去世療法のような、その人の心の詰まりを見出して和らげていく工程を
その人自身が見つめ、感じていくためのプロのカウンセラーの資格を持っていました。

何故、過去形なのかと言えば、それがこの世を生きる
ほとんどの人にとって、あまり大きな意味を持たないということを
日本国内、海外問わず、様々なクライアントと接する中で実感し、
その団体から離れる時に、全てその資格、立場も捨ててきたからです。

過去世療法やトラウマ解消のような類のセラピーに関する僕の見解は
過去のブログでもご紹介済みですので、ここでは詳しくは触れることはしませんが、
もし、そのような療法が必要な人がいるのだとすれば、
300人、それらを希望する人たちがいる中で、
本当にそれが必要なのは、1人いるかいないか位の程度のもので、
ほとんどの人は中途半端にやるべきではないと感じています。

*「過去世療法、トラウマ療法、どこまで必要なのか。」
*「過去やトラウマ、いつまでほじくり返すつもりですか?」
*「ご先祖様の想念を受け継ぐ。~因縁なんて言葉は使うべきではありません。~」

僕が特に過去世療法に特化したカウンセリングを、
その海外のエネルギーワークの団体で、色々な人たちに向けて施していた時、
ある1つの疑念というか、確信が生まれました。

それは自分で過去世を見て、自分で過去世の出来事を断片的にも感じて、
自分でそれらが、今の人生の生き癖に
何かしらの影響を及ぼしている・・・という原因を探っていくことは
一見すると、とても聞こえの良い響きなのですが、これが、とても危険な行為だということ。

何故なら、カウンセリングを受ける人たちは、ほとんどが素人だからです。

素人ということは、何が起こるのかと言えば、
自分の思い込み、「こうあって欲しい」という過去世、
他の誰かから聞いた過去世療法の体験談や、本や講演会などで見聞きした情報など、
そのような頭の中だけで感じた情報のみを元に、
カウンセラーに導かれ、過去世を見たかのような気分になる人たちが
毎回、毎回、ほぼ99%、そういう人たちばかりなのです。

自分で自分の過去世を感じる、見る、追体験するというのは、
それくらい難しいことでもあるにも関わらず、
多くの過去世療法に携わるカウンセラーたちは、
「あなたでも遠い過去のことを感じられるのですよ。」と、ありとあらゆる謳い文句、
甘い言葉を用いて、その思い込みの思考感情の枠だけで
そのカウンセリングを行おうとするセラピーが大半です。

たとえ、しっかりとエネルギーワークを学んでいるつもりの人間でさえ、
僕は海外の団体でカウンセラーとして、それらを多くの人に試してみたのですが、
その物事の本質を見極めて、自分自身でカウンセリングが出来ている人など
ほぼ皆無に等しかったですよ。

僕は、そういうセラピーに特化したカウンセラーである前に、
霊能者でもあるので、その人の過去世なんて、霊的世界がカウンセリング中に
見せて下されば、とても簡単に、スムーズに見せてもらうことが出来ます。

本当に嫌味な言い方で申し訳ないのですが、
正直、そんな技術なんて初歩の初歩の初歩の初歩くらいの技術で大したこともなく、
しかも霊視というものは、過去世を見る作業があったとしても全体の1割にも満たない位、
それが目的ではなく、もっと他の本質にアプローチしなければいけないので、
過去世なんて、正直、どうでもいいことなのです。

本当に必要な霊視とは、その人の人生の本質を見抜き、
今、この段階で何を改善すべきなのか、どのような心構えで生きていくべきなのかを
しっかり見極めて、それらを霊的世界から伝えられる
メッセージと共に通訳させてもらうものなので、
何を言っても伝わらない人たちには、一切、通用しないこともあり、
「今は何をお伝えしても無駄なのでお帰り下さい。」となることも稀にあるくらい
とても明確な判断が出来ます。

こういうことって僕にとっては当たり前のことなのですが、
だからこそ、その過去世がホンモノなのか、ただの思考感情レベルの思い込みなのかが
一瞬にして理解出来てしまい、
だけれど、あくまでカウンセリングを受ける本人たちが
「自分で過去世を感じる、自分で見つめる」というルールがあったために、
それを直接指摘することは一切出来なかったのです。

「私は過去にどこかの国の王室に生まれて、周りにはそのような風景が見える。」

「それは、単なるお前の思い込み、ただの今の平凡な人生を歩んでいる自分がつまらないから、
自信がないから、そういう特別な立場に仕立て上げて存在価値を高めたいだけのただの願望だろ。
王室でも王様でも何でもねえよ!」と
その場でツッコミを入れたくても、入れられない。

「私はこの世に生まれて来る時、お母さんのお腹の中に宿っている時に
お母さんが辛い想いをして、こんな辛い世の中に生まれて来るのは大変だから
私はこの世に生まれたくないと思っている。」

「それは僕が以前、ブログで自分の体験談を書いたそのままを真似しているだけだろ!」と
そこでもツッコミを入れたくても、入れられない。

ただの素人が自分で自分の過去世を感じて、自分の生き癖を知り、
この世をもっと生きやすくする・・・というプロセスが、
どれほど自分勝手な思い込みだけで成り立っているのかが、
このような残念な事例からも、すぐに理解できることかと思います。

素人が安易に自分の感覚だけで過去世を感じたりする・・・ということは、
80歳になった日本語しか話せないおじいちゃん、おばあちゃんに
「今日から英検1級レベルの英語で会話をしていきましょう。」という
無理難題を、そっくりそのまま、素人に押し付けるようなものであり、
そのくらい、とても複雑なものだということを理解しておかなければいけません。

だけれど、この世に蔓延する多くの過去世療法、
特にそれをカウンセラーではなく、カウンセリングを受ける本人たちが
自分で感じて、自分でその原因を探っていけるものだ・・・ということを
安易に謳い、クライアントを集めている集団というのは、
おおよそ、そういう素人の欠点というか、危険な部分を隠して
甘い言葉だけで、それらに携わらせようとしています。

これまでの過去世療法のカウンセリングをする立場として、
色々なクライアントと向き合っていくうちに、クライアントにも
いくつかのタイプに分かれたのですが、特に厄介だったのが
前述したような以下のタイプの人たちです。

「私は王様だった。お姫様だった。貴族だった。魔法が使える人間だった。」など
平凡ではない、何かしらの特別な存在だけに執着する人です。

自分で過去世を見る場合、王様やお姫様、どこかの高貴な立場の人たちの映像や
過去世の記憶を思い出す人たちは99%間違いで、
今の自分の非力さや平凡さ、実力のなさや自信のなさから、
全く今とは違う自分像を思い込みで描いて、それを過去世に投影する人たちが多かったです。

ここで見るべきは、過去世ではなく、何故、そういう英雄的なものに自分を投影して
現実逃避ばかりして、自分の非力さ、平凡さを認めようとしないのか、
本当は、その平凡さ、非力さの中にこそ、本当の幸せに繋がる道があるはずであり、
自分の内面を見つめるためには一番の近道であることが多いものです。

僕がこのブログで、「自分の人生に欲求不満な性格ブス」と表現する部類の人は、
おおよそ、このタイプに属します。

また、それと同時に、このような人たちは、
自分だけではなく先祖のルーツにも拘りがあり、
「自分の家系は立派な王族の家系で・・・。」「立派な武士の家系で・・・。」などと
信じ込みたい人たちも多いのですが、
ご先祖様がどうであれ、今の本人がどのような心持ち、生き方で過ごしているかどうかが大切であり、
過去のことなんてどうでもいいにも関わらず、
そこだけに執着しようとします。

過去世が王様、お姫様だった・・・タイプの人間は、ほぼこのような感じです。

もう、素人もいいところで、
「はいはい。どうぞご勝手に王様でも、お姫様でも、何にでも変身して下さい。」と
直接、その本人に伝えたくなるほど下らないことです。

僕がこれまでこのような安易な過去世療法だけではない、
霊的世界の力を借りた霊視で過去世を判断したり、
今の生き癖を改善することで、より心豊かな人生を歩めるな・・・と思って
本当に、その人の過去世をお伝えする必要があったのは、
やはり300人いれば、1人いるか、いないかくらいの割合です。

その位、過去世を安易に探り、知ることにはあまり意味を持たないということです。

また、稀にですが、過去世療法などのカウンセリング中、
その本人が過去の記憶を本当に見ている場合がありますが、
それも、カウンセリングを導く側が、
しっかりと、本当に過去世なのか、それとも違うものなのかを見極める力が必要です。

何故なら、その過去世と思っていた記憶が、
ただの先祖の想念を受け継いでいただけであったり、
またはとても近しい人たちの想念を受けていただけであったり、
そこで生活する土地のエネルギーの影響を受けていることもあり、
その人、本人のものではないエネルギーの作用もおおいにあるものなので、
このあたりの見極めが出来るカウンセラーというものは、
更に少なくなってくるものだと思います。

たとえば、第二次世界大戦時の記憶や、
その話題に触れると異常なまでに過剰反応するとか、
そのような類のものは、本人の過去世の記憶というよりは、
先祖の記憶であったり、土地の記憶の影響を受けていることなんてよくあります。

ちなみに、それが過去世なのか、先祖の記憶なのか、
はたまた他人の想念なのかを精妙に見極めるためには
カウンセラーだけの技術、能力では難しく、かなり精度の高い霊視技術と
それなりの深い知識、経験が求められます。

要するに過去世療法のカウンセラーという職業は、
全てを過去世が起因しているもの・・・というように決めつけてしまう恐れがあり、
それ以外の原因を探ることが出来ないし、その技術も持ち合わせていないので
これだけでは本当に不十分なのです。

素人が自分で見た過去の記憶、過去世の風景の9割は
ただの思い込み、「こうありたい」という現実逃避からくる願望、
本やその他の誰かから聞きかじった情報を元に構成されている・・・という事実を踏まえた上で、
それらと向き合わない限り、一生涯、中途半端な過去世療法、
トラウマ解消療法ごっこを続けることになりますので、ご注意を。

さて・・・。

冒頭の話に戻りたいと思いますが、
このように人は、先祖代々受け継いできた想念の影響も、
そして、自分自身の過去世の影響も、そのどちらの影響も受け継いで
今という人生を生きています。

まるで古い古い建物に、また新しい息吹を吹き込み、
古き良きものは残し、現代風にアレンジして、より心豊かな空間を作り上げていく作業と同じで、
僕たちは、そのために、敢えて人間として、この世を生きているのです。

古い建物というものは、歴史がある反面、強度という面でも脆弱な部分があるし、
改修しなければいけない箇所も多いものですし、
エネルギーの側面で言えば、これまで歴史が続いた分、積み重なってきた
良くも悪くも色々な人たちの想いが、そこに付着している訳です。

その良い部分に感化され、影響されるのか、
それとも悪い部分に感化され、影響されるのかは、全てそこと関わる本人次第なのです。

過去世がどれだけ酷いものであったとしても、
大変なものであったとしても、それはとっくの昔の過去のことであり、
今、生きている人生が上手くいかない全ての理由、責任にはなりません。

むしろ、そんなところに今の人生が上手くいかない理由を見出して
現実逃避したところで、何の意味もなく、
誰だって、この世を生きている人であれば、
それぞれが、それぞれの魂の歴史がある訳で、良いも悪いも
色々な出来事、過去世を背負って、今という時代を生きているのです。

それでもまだ、過去世に拘ったり、自分のルーツに拘ったり、
そのような類のものに現実逃避したいと思いますか?

過去世療法が必要な人なんて、それを希望する300人の人間がいたとしたら、
本当にその中で1人、いるかいないか位の稀なケースでもあります。

そんなことを言ってしまえば、その業界でご飯を食べている人たちは
全て失業してしまうことになってしまうので、敢えてそのような負の側面というか、
真実を隠して安易に誰でもそのような療法に導こうとしているのですが、
あとは、そこに聡明さを用いて、本当にそれらが自分にとって必要な療法なのかどうかを
他の誰でもない自分自身で判断しなければいけないと思います。

古き良き魂の歴史はしっかり受け継ぎ、そうでないものは適度に流し、
今という時間、そしてこれからほんの少し先の人生を、
どのように心豊かに生きていくのかさえしっかり感じて生きていれば、
人というものはおおよそ幸せに生きていけるものではないかな・・・と感じています。

ふと、台北の古い建物を見事なまでに現代風の素敵な空間、
エネルギーに変える職人さんたちに出会って、そのようなことを感じました。


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