山野本竜規の続・ナカトリモチ日記
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心で向き合う正直な人。~スーパーのレジ、ひきこもごも~

2013年12月12日

心で向き合う正直な人。~スーパーのレジ、ひきこもごも~昨日の夕方、買い物をするために近所のスーパーに立ち寄り
支払いのためにレジに並んだ時のこと。

一番混み合う時間帯で、どのレジにも
買い物客の長い列が出来ていて
僕もその中の1つに並んでいたのですが
なんだか、この列、様子がヘンだったのです。

周囲のレジの列は、混み合う時間帯なりにも
少しずつ並んでいる客が前に進むのに、
並んでいた列のレジだけは、異常にその進み具合が遅かったのです。

そうそう、県外から沖縄に引っ越して来られた方が
驚くことの1つに、沖縄のスーパーでは
買い物をしたら、レジ担当の人が、買い物袋の中に
商品を丁寧に入れてくれることが
当たり前の習慣となっている・・・というものがあります。

県外の場合だと、スーパーで買い物をしたら
そのまま会計を済ませて、それで終わりで
あとは買い物客自らが袋詰めをするのが当たり前ですが、
沖縄では、その逆で、袋詰めまで丁寧にやってくれるお店が多いのです。

それこそ、昼時や夕方前など混雑する時間帯によっては、
「自らの袋詰めのご協力、お願いします。」とお願いされることもありますし、
大型スーパーの場合だと、
「自ら袋詰め専用レジ」と、「普通レジ」という
レーンが最初から分けられていて
そのくらい、スーパーでのレジ担当係の袋詰めは普通なのです。

それこそ、僕が最初に沖縄に引っ越してきた時は、
毎回、この袋詰めをしてもらうのがなんだか申し訳なくて
その待っている時間が、いつも以上に長く感じてしまい
手持無沙汰というか、落ち着かないというか
とてもムズガユイ感覚だったのを鮮明に覚えています。

もともと、あまり長く並ぶことに慣れていない
せっかちな性格でもあるので、
「袋詰めを丁寧にしてくれるのはとても有難いけれど、
それだったらさっさと自分でやるから、
それよりも早く、このレジの列から解放して!」という気持ちもありました。

それでも、長く沖縄で生活していくうちに、
やはり慣れてしまえば、これが当たり前になってしまい
多少待ったとしても、普通に会計と袋詰めをしてもらうことに
何の違和感も覚えず、利用させてもらえるようになりました。

閑話休題。

それで、昨日並んだレジの列ですが、
そのようなことを含めても、いつも以上に時間がかかり過ぎていたので
僕は最初、「レジ担当に慣れていない人がやっているのかな。」と思いながら
その順番を待っていました。

さすがに時間をあまり気にしない他のうちな~んちゅたちも
そわそわ、ざわざわし始めて、
僕の後ろに並んでいた何組かの買い物客は、
ブツブツ文句を言いながら、別のレジの列へ並び直したほどでした。

多分、僕も時間制限があり急いでいれば
同じように、ちょっとイラッとしながら
別のレジの列に並び直していたことでしょうけれど
昨日は特に急ぐ用事もなく、ましてや、
ここまで時間がかかっている理由というか、
どんな人がどんなレジ対応をしているのか
興味本位で確かめたくなって(イジワルですよね。)
そのまま並んでみることにしたのです。

どうやら担当しているのは、10代後半か20代前半の
まだ若い男性スタッフのようで、
順番が近づいてきても、相変わらず、
他のレジの列に比べて倍以上の時間がかかっています。

そして僕の2つ手前に並んでいた人が、いざ会計・・・となった時、
ようやく、その理由の1つが分かったような気がしました。

男性スタッフのレジさばきを見ていても、
ゆっくりというよりは、普通よりも早くテキパキとこなしていて
袋詰めも要領よく、丁寧に商品を入れています。

ところが、ある商品になった時、ふとその手を止めて
そのお客さんに、このように伝えました。

「この商品、少し痛んでいるようですので、
今から新しいものに取り換えてきますね。」

その商品とは、透明の袋に入った3つのミカン。

その時の客は、若いお母さんと、まだ2~3歳の小さな女の子の
親子連れだったのですが、
お母さんは、申し訳なさそうに、
ちらちら後ろで長時間並んでいる客の列を気にしながら、
「いえいえ、いいです。これ、娘が商品棚にあったものを
力強く握ってしまったものですから取り換えなくていいです。」と
一生懸命、申し訳なさそうに断っていました。

きっと、個別売りのみかんを、小さなお子さんが手に取って
「ぐちゃっ!」と潰してしまったのでしょう。

子供は何をするのか予測が出来ないので
いくら注意を促したところで、大人の期待通り・・・という訳にはいきません。

子供に「ダメだよ!」と叱るのは当然として、
ともすれば、その商品を知らない顔をして放置することだって
出来たはずなのに、(大型スーパーで人目も付きにくいはずですから。)
というより、そういう無責任な親を見かけて幻滅することが多い時代なのに、
その若いお母さんは、それを申し訳なく感じて購入したのですから
それだけでも、見ている側としては、
なんだか嬉しくなるというか、「あぁ、正直な人ってまだまだいるんだな。」と
清々しい気持ちになりました。

ところが、このレジ担当の男性も、
その客さんと同じくらい、正直者でした。

必死に断るお客さんの言葉を遮るように、
「いえ、いえ、折角、買って下さるので、今、すぐに取り換えてきますね。」と
云も言わさず、その場を離れ、みかん売り場に走って行ったのです。

その間、1分くらいでしょうか。

大混雑の時間帯のスーパーのレジの長蛇の列。

多分、冷静に考えれば、または担当者によっては
全ての流れを最優先して、また後ろの人たちのイライラや
待っている時間を考慮して、
その痛んでいるみかんを、そのまま何事もなかったかのように清算して
時間や効率を優先させることだって出来たはずです。

というより、今の時代の流れ、価値観は
個人個人と向き合って大切にしていく・・・というよりは、
確実に「効率が全て、結果が全て、全体の流れを優先する」という
右向け右、左向け左の
欧米主義のガチガチの価値観が主流の世の中です。

ですが、そのスタッフは、それをしなかった・・・。

何が、目の前のお客さんにとって大切なのかを
彼なりに必死になって考えた咄嗟の判断が、
その全ての言動の源になっていたのではないかな・・・と思います。

そういえば、順番が近づいてくる少し前にも、
何度かレジを離れて走っていく姿が見えたので
きっと同じような理由か、彼なりの思いがあって
商品を新しいものに取り換えていたのでしょう。

いや~、本当にブラボーというか、見事でしたね。

その心で向き合う仕事の姿勢を間近で垣間見て
長く待っていた時間なんて一瞬に忘れてしまうほど
清々しく、嬉しい気持ちになりました。

勿論、僕の順番が回ってきたときも、
とても丁寧な対応で清算をして下さって
気持ちよく、その場を後にすることが出来ました。

お客さんの若いお母さんにしても、今回の店員さんにしても、
こういう正直さのある人というか、心ある人の対応は、
そこまで頻繁に触れたり、
間近で感じる機会があるものではありません。

逆に言えば、このような人たちは
少数派になりかけているのも現状です。

ですが、それでも、この世の中には、
自分に正直に、心を込めて相手と向き合って生きている人たちが
確実に存在しているのも、これまた事実。

多分、こういう人たちは、
ある側面では損をすることも沢山あることでしょう。

効率、結果が全ての人たちからしてみれば、
「こんなに長い時間待っているのに、
わざわざ客の不手際で痛めた商品を取り換えなくてもいいじゃないか!」と
クレームが出たっておかしくありませんし、
「レジで待たされる時間が異常に長い!」と店側にクレームを入れられれば
そのレジ担当者は、「もっと早くやりなさい!」と
これまた店側に催促されることだってあり得る世の中です。

勿論、そこに、僕が垣間見た一連のやりとり、事情、
その人の気持ちなんて、一切考慮されることはないでしょう。

それが大きな組織の流れであり、世の中の仕組みの1つなので
そのような面では、正直すぎる部分で損をすることがあるかもしれません。

効率の良さ、結果だけを求める組織側からしたら、
「あまり宜しくない。」と判断されるかも知れませんが、
それとは逆に、
必ずそのような直向きな気持ち、生きる姿勢に触れて
気持ちが和らいだり、勇気づけられる人たちが確実に存在するのも事実です。

今回のスーパーでの一連のやりとり、
心ある人たちの目の前の出来事の向き合い方を垣間見て
僕自身、普段、とてもムズガユイけれど届かず、
その痒いところを掻いてくれたような
そんな清々しいスッキリした気持ちになったと同時に、
どこまで出来るか分からないけれど
自分なりに同じように心で向き合う生き方を実践していきたいなと
素直に思わせてくれた瞬間でした。

ただの日常のちょっとした風景、1コマだったとしても、
この世には決して出てこない、
自己主張しない素晴らしい出来事、良いことなどは必ずあり、
数は少なかったとしても、意外に出会うチャンスがあるものです。

このような素敵な瞬間に触れることが出来たとき、
人は本来の素直さや正直さを見つめ直す
良い機会になるものだと感じています。

これからの時代を背負って立つ、
10代、20代の若い世代の人たちでも
これだけ正直で、ひたむきな人たちがフツ~に存在しています。

色々なことがある世の中ですが、
こういう人たちを見ていると、
「この沖縄も、日本も、世界も安心だな。」と素直に嬉しくなった1日でした。


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