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2023年09月08日

目の前に広がる薄っすら黄緑というか白い畑の景色は全て蕎麦の花。
これが蕎麦だと教えてもらえなければ、何の花なのかも分からず
僕の目には、ただ綺麗な日本の原風景としか映らなかったのですが、
どちらにしても景色が広くて美しい。
水曜日の夜に沖縄から山形に到着し今週末まで山形、仙台で
色々な仕事と向き合う日々ですが、
昨日は仕事終わりに山形県尾花沢市に向かいました。
冒頭の写真は尾花沢市の蕎麦畑ですが、
僕の中で尾花沢と言えば、滅多に食べることが出来ない
カズちゃんの幻の尾花沢スイカ。
*「美味しさの基準。~人ありき~」2023年8月22日
仕事とは別ですが、今回は実に4年ぶりに尾花沢で
カズちゃんと再会することが出来ました。
これぞ山形、尾花沢。 pic.twitter.com/zwuXvsocEG
— 山野本たつのり@ナカトリモチ (@nakatori_mochi) September 8, 2023
過去のブログでも記しているのですが、
僕は2019年8月に海外出張中に、まだ世の中には発表されていなかった
初期のコロナと全く同じ症状に陥り、高熱と重度の肺炎重症化により入院、緊急手術まで
全て海外で行うことになり、少し落ち着いてから帰国しました。
*「カズちゃんの幻のスイカ畑。」
~声なき声を感じられる人であるように~2019年10月1日
当時はまだ、その謎の肺炎重症化が何なのかだなんて誰も分からない状況で
結局2019年の12月になって
ようやく世界各国のニュースで取り上げられるようになったほど。
2019年8月に帰国し、沖縄の自宅で療養することになったのですが、
8月9月となかなか症状が改善されず、高熱が出ては微熱に戻る、
味覚はずっと感じないまま、頭痛も酷いという状況でした。
今であれば、それがコロナ後遺症だと分かるのですが、
当時はまだ原因不明の免疫力低下としか診断されず、
とにかく栄養をつけて休むくらいしか方法がありませんでした。
そんな状況の中でご飯もあまり食べられず、
思いがけず救世主となったのが、友人とカズちゃんが送ってくれた
幻の尾花沢スイカだったのです。
あの1口、1口、体の中に入ってくる昔ながらの風味、
優しい食感、甘さが味覚が戻っていなくても身体に染みて
そこから少しずつ元気になっていったという命の恩人でもあります。
そのお礼を兼ねて2019年9月末に尾花沢を訪れてカズちゃんに
直接お伝えしたのですが、直後、皆さんもご存じの通り、
世の中は3年以上、コロナ禍で色々な物事がストップしてしまったため
4年ぶりの再会となりました。




カズちゃんは尾花沢市内に点在する8ヵ所の広大な畑を所有しており、
猛暑の今年もなんとか無事にスイカの出荷を終えて、
今は雪が降る前までにスイカ畑の後片付け作業に追われる日々です。
カズちゃんによると、広大な畑を保護するために盛り土にビニールを被せて
スイカを栽培していたため、そのビニールを綺麗に1つ1つ撤去し、
また綺麗に整地して肥料を混ぜ来年用の土壌に仕上げるまでを
今年の雪が降る前までにやっておくとのこと。
スイカの栽培、出荷が終わったとしても、まだまだやるべきことが沢山。
そして4年前から尾花沢のスイカ農家の状況も随分変わって
カズちゃんのように昔ながらのスイカ栽培を志す若い世代の人たちが
少しずつ増えてきて、今はカズちゃんがその代表を務めているそうです。
だから1年のうち個人的に休むことが出来るのは数日のみなんだそう。
相変わらず忙しい日々を送っており、とてもイキイキと働いておられました。


今回はカズちゃんの作業が一段落した昼休み中に
車で近くの畑を案内してくれましたが、
そのついでに山形でも有名な一寸亭というお蕎麦屋さんの本店で
一緒にランチをすることになりました。
山形市内にも支店などがあり、
僕も何度かお邪魔したことはあるのですが本店は初めて。
カズちゃんがお勧めしてくれた山形名物の冷たい肉そばを頂きましたが
出汁も効いて、冷たいので蕎麦自体もキュッと締まってコシがあり
あっという間に完食してしまったほど美味しかったです。
食事中も車内でも、カズちゃんからスイカ農家のあれこれや
農業のこと、ご自身のこれまでの経験など色々な話をしましたが、
このように直向きに1つのことに向かって淡々とやるべきことをやる方が
丹精込めて作るスイカだからこそ、他と違う美味しさがあるのだろうなと
改めて実感した次第です。
今、農業も随分と若手が参入してカズちゃん自身もよい刺激を受けているそうです。
同じスイカ農家でもインスタを始めとするSNSで、生産者自ら顔出しして
スイカが成長する過程を紹介したり、その人のキャラクターを売りにして
インターネット販売に特化した若い人たちも全国各地にいるとのこと。
良い意味で朴訥で穏やかで、とても真面目なカズちゃんは、
「自分ではネットでの展開は無理ですね。」と照れながら語っておられましたが、
うん、確かにカズちゃんがSNSに自ら顔出しをして
なかなか一般には流通しないカズちゃんの幻の尾花沢スイカを紹介する姿は
僕も想像できません、笑。
でも、カズちゃんにはカズちゃんなりのスイカ栽培との向き合い方があり、
今は友人知人、地元や県外の業者など個人を通して培ってきた流通ルートがあり、
それで今はしっかり農家として成り立っているので、これぞカズちゃん流ではないかなと。
お人柄は言うことなし、農業に対する知識も情熱も技術も、プロフェッショナルそのもの。
そんなカズちゃんの生きる姿勢、その想いまで感じ取って
幻のスイカの大ファンになっていく人たちが全国各地に
確実にいるということは、それがすべての結果ではないかなと思います。
人には人それぞれの仕事との向き合い方があり、
それぞれに合った生き方というものがあります。
それらのすべてが合致したら理想的かも知れませんが、
とにかく農業に関して言えば、これまでの技術経験だけでは対応できないほど
毎年変わる天候に左右されたり、先が読めないことが多く、
常に自身の常識、経験、知識をアップデートして対応していかなければいけないと
農業の難しさ、面白さについてカズちゃんが語っていたのが印象的でした。
このようなプロフェッショナルの姿に触れると、
僕自身も良い刺激を受けますし、純粋に元気になれました。
なかなか直接会う機会はないけれど、またカズちゃんの控え気味の笑顔、
とても真面目で穏やかな表情、心の中に秘めた信念や情熱などに触れに
尾花沢で再会できる日を楽しみにしています。
さて、僕も引き続き、山形での仕事にしっかり専念したいと思います。
Posted by 山野本竜規 at 18:54
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