ポーランドでは何もかもが初めてでしたが、
現地で出会う人、出会う人たちが、とても親切にしてくれたお陰もあり、
初訪問で、しかも5年ぶりのヨーロッパということで緊張しつつも、
とても穏やかな気持ちで、街の散策などを楽しむことが出来ました。
ヨーロッパって基本的に知らない人には超不愛想、
スーパーにしても食堂にしても、その他の場所にしても、
サービス精神という概念はほぼ存在しないのではないか・・・と感じるくらい
超絶不愛想でやる気がない仕事人たちを、どこでも多く見かけるので、
それが普通だという覚悟で現地入りしたのです。
勿論、一部、そのようなヨーロッパではスタンダードの対応を取る人たちも
見受けられたのですが、出会った先の小さな食堂や
ポーリッシュポタリー(ポーランド食器)のお店の女性店長さん、
ショパンコンサートの受付スタッフのお兄さんなど、
どの人もとても良い笑顔で丁寧に接してくれて、良い思い出しか残っていないくらい
ワルシャワの街の印象が良いものになりました。
*「教会での不思議体験にショパンや食器。」~充実したワルシャワの1日~
あと理屈では説明できないのですが、やはりその土地や国、
風土、そこで暮らす人たちとの全体的な相性というものは必ず存在していて、
こればかりは個人個人で本当に異なることなので、
その点で、「しっくりくる感覚、マッチングしている感覚」になるというのは
世界を旅していると、結構、重要な要素でもあるのです。
その点でポーランド、ハンガリー共に僕は安心して過ごせる
個人的な相性が良い場所だということが何よりの良かった点でもありました。
今、全ての旅が終わって沖縄の自宅で
自分用に買ったお気に入りのポーランド食器を眺めながら、
その旅の思い出を振り返っているのですが、ポーランドで一番印象に残っているのは、
ショパンコンサートの帰りに偶然通りかかった教会で
この世に存在しない人に手招きされてミサに参列した・・・という不思議体験。
実はこの後、気になって色々調べてみると、
僕が通りかかった教会は、カトリックの教会だったようで、
教会の建物の入口に仰々しい緑色の派手な服を着たおじいさんが立っていて、
目が合った瞬間、ニコリとほほ笑んで手招きをしてくれたのです。
このおじいさんが実は、ミサが終わったあと、忽然と姿を消していた
この世の人ではない存在だったということが判明したのですが、
とにかく緑色の派手な服が印象的だったので、調べてみたのです。
そうしたら、これが、まさにヒットしまして。
カトリックの神父が身に着ける祭服の1つで、
緑色は、新芽を意味して、希望、堅実さ、忍耐を象徴する色で、
祝祭日ではない年間主日に用いるものだ・・・という説明がありました。
僕が見たものは、もっと派手な装飾があったような気がしますが、
ほぼ、このようなイメージです。
この緑色の仰々しい服を着た小柄で穏やかなおじいさんが
教会の入り口前に1人、立っており、
その佇まいの穏やかさや安心感ある笑顔で手招きされたら
無視したり、断るわけもいかず、おじいさんと一緒に教会の中に入り、
目で微笑みながら合図して席に座るよう促され、ミサに参列したという流れ。
振り返ると、既におじいさんの姿はなくて、
「あぁ、きっとまた入口に戻ったのだろう。」と思っていたのですが、
ミサが終わった後、一度も入口にそのおじいさんの姿はなく、
そこでようやく「この世の人ではない人だったんだな。」と判明したという体験でした。
確かにあの格好で教会の入り口にいたら、観光客が群がって
写真撮影のオンパレードだったはずなのに、誰一人として見向きもせず
教会前を素通りしていたので、他の人には見えない存在だったのでしょう。
でも今でもハッキリと覚えているのです。
あのおじいさんの優しい微笑みや、落ち着く表情、教会内に案内する際の
緑の礼服が床に擦れる音、時々、おじいさんから漂ってくる、
ハーブとも何とも言えない薬草のような心地よい香りなど。
五感で「あぁ、このおじいさん、一緒にいてとても幸せな気分になれる良い人だな。」と
分かるくらい心地良い存在でした。
確かに、この教会の建物の真ん中の入り口のドアの前に、
おじいさんが1人、静かに立って、こちらに手招きして中まで案内してくれたのですが、
席に座った直後には、もうその姿はなく、
何とも不思議で心地良い時間でした。
ワルシャワでの時間は、終始、穏やかでゆっくり時間が流れるように
スムースに過ぎて、あっという間にワルシャワからブダペストへの移動となりました。
穏やかな気持ちのまま1つの国の滞在を終えることが出来ることって、
実は意外なほど少なくて、必ず何かしらトラブルや不愉快な想いが残ったりというのが
スタンダードでもあると僕は個人的な経験則で思っています。
そのくらい、旅には何かしらのマイナスのイレギュラーが付きまとうのが普通なのに、
ワルシャワでは、こんなにも何事もなく、しかも心が穏やかな気持ちのまま
次の都市への移動ができるだなんて、僕のほうが良い意味で拍子抜けだったのです。
だからまたいつか、ワルシャワは再訪したいです。
そして、そのスムースな流れのまま向かったのが
もう公私共に何度も訪問しているハンガリーのブダペストでした。
慣れた街なので、ホテルではなく民泊で完全貸し切りのワンルームの部屋を
予約したのですが、1泊5千円程度で、目の前はドナウ川が流れ、
トラム、バス、地下鉄もすぐ近くという立地も景色も最高の場所でした。
だから慣れた場所では民泊が一番。
現地の人の暮らしと似たような経験をできるのも嬉しい限りです。
主な観光名所はほぼ行き尽くしているからノープラン、
唯一、約束していた知り合いのハンガリー人親子との再会は
2人がインフルエンザに罹ってしまいキャンセルになったので、
とにかく大好きなトラムに乗って、自由気ままに気になった場所で降りて
ふらふら歩き、また次のトラムに乗って・・・という散策を満喫。
知り合いのハンガリー人の親子は2人とも空港職員なので
帰りの飛行機に乗る際、受付カウンターでお土産を別の職員に預けて
「彼らが回復して職場復帰したら渡して下さい。」とお願いし、
後日、「無事に受け取った!ありがとう!」というメッセージが届きました。
回復して良かった。次は再会できたらいいね。
ちなみにポーランドもハンガリーも物価が安い国なので、
ふらりと立ち寄ってコーヒーを飲んでも、お財布の中身を気にしなくて良いのが
本当に有り難かったです。
このカフェラテとケーキ(ラズベリーが中に入っていた)のセットで
約400円ほどだったので、毎日でもカフェに入り浸りたいくらいでした。
でも食べすぎは良くないので、
ワルシャワ、ブダペスト滞在中、甘いものは、それぞれ1回のみ。
どちらも甘すぎず、程良い酸味が絶妙で、とにかく美味しかった。
ブダペストのカフェやケーキ屋さん巡りだけでも、良い過ごし方ができると思いますよ。
安いし、海外でよくありがちな激甘ケーキもほぼありませんから。
ワルシャワで売られていたベリー系の映えパン!?も見た目ほど甘くなくて
とても美味しかったです。
どうやら僕自身、ケーキもパンもベリー系に惹かれる傾向があるようですね、笑。
とにかく、どちらも程良い甘さで日本人の口に合うスイーツでした。
そして今回の旅で一番、忘れられない食べ物は、
グルメな友人から教えてもらったお店のグーヤッシュ。
ハンガリーの伝統料理で、グヤーシュとか、グーラッシュとも言い、
牛肉やジャガイモ、ニョッキ、ニンジンなどを煮込んで
パプリカの辛いものと合わせて食べるというビーフシチューです。
家庭によっても、お店によっても味が違うので、
僕も何度も他のお店などで食べている料理なのですが、
教えてもらったお店のグヤーシュは、とにかく安くて絶品でした。
おまけにいつ行っても、笑顔で親切丁寧、接客良し、雰囲気良し、
値段良し、味はもちろん言うことなしの満点のお店です。
このお店のグヤーシュは、さっぱり系で胃もたれする心配がない
味付けだったので、帰国前日の最終日の晩餐にも再訪したほどの
お気に入りになりました。このお店を紹介してくれたグルメな友人に感謝です。
もう、本当に食べてばかり、笑。
ハンガリーはフランスに次いでフォアグラの名産地であり、
フランスとは比べ物にならないほど物価の差があって安いので、
現地ではお得にフォアグラ料理を食べることが出来ます。
僕は以前に何度も訪れている
お気に入りのカフェのフォアグラ料理を食べてきたのですが、
ここも以前と接客サービスの質も味も変わらず、とても美味しかったです。
(値段だけは上がっていましたが、汗)
最終日は原点回帰というか、もう一度、素になってブダペストの街を
散策してみよう・・・と、ひたすら歩き、トラムに乗って、街を回った1日でしたが、
そこで感じたのは、「やっぱりブダペスト、個人的な相性が合う街で大好きだ。」
という、いつも感じる感覚。
これを再確認できて、今回の旅行を通して心配していた感染症などの風邪も
一切経験することもなく、無事に帰国できたのが何よりで、
またいつか色々な準備をして、ヨーロッパのお気に入りの国々を
再訪できたらいいなと思えた5年ぶりの旅行でした。
ちなみに帰国後、体重計に乗ったら、1.2kg増量していました、汗。
滞在中、ジムで体重を測った時は1.5kg増量だったので、まぁ、許容範囲かと。
これからまたいつもの食生活、ジム通い、日々の仕事と
日常に戻しながら、次の旅行を励みに頑張っていきたいと思っています。
これにて長く続いた5年ぶりのヨーロッパ旅行記、おしまいです。