死別と心の決別の意義。

山野本竜規

2024年08月28日 20:42



大型の台風10号、今後の進路が気になりますね。
日本縦断の可能性も十分あり得ますので、各地にお住まいの皆様、
十分な警戒と共に、台風に対する備えをなさって下さい。

台風がよく通過する沖縄の一般家庭でやることは・・・。
①停電に備えた水の確保(バスタブなどに水いっぱい貯めておく)
②電気、ガスが使えなくても大丈夫な数日分の食料の確保
③車はガソリン満タン(非常時の充電や避難場所になり、重い分飛ばされにくくなる)
④停電時の懐中電灯やラジオを分かりやすい場所に置く
⑤庭やベランダなど飛ばされやすいものはしっかり固定、屋内に避難させる

とりあえず思いつく大切な事前準備のみを挙げましたが、
夏の時期の停電は、湿気や気温の高さもあり殺人的な不快感を伴いますので
熱中症にならないためにも、公民館や学校、ビジネスホテルなど
近くの避難場所をいくつかピックアップしておくことも大切になります。

今年は沖縄本島への台風直撃が少ない分、
本州に向かう台風が多くて、勢力を維持したまま北上すればするほど
その被害も甚大になりやすい台風シーズンとなっています。

こればかりは自然の力なので、僕たち人間が最大限、警戒するところは
しっかりした上で、その猛威が過ぎ去っていくのを、ただ待つのみですし、
当該地域から離れた場所で暮らしている人たちは、
なるべく被害が少なくて済むよう、ただ心の中で祈りながら
目の前にある日常生活と淡々と向き合っていくのみです。

さて、冒頭の写真は数日前、自宅から見ていた夕焼け。

旧盆が終わって、朝晩はほんの少しですが涼しさを一瞬だけ感じるようになってきた
沖縄ですが、まだまだ日中の痛くて全身を刺すような強い陽射しは続いています。

気づけば8月も終わりに近づきましたが、
僕自身、ブログ更新が空いている間、沖縄で依頼があったお祓いの仕事などで
県内を駆け回る日々で、お陰様で忙しい毎日を送っています。

ただね、これは個人的なタイミングが重なっているのでしょうけれど、
今年はとにかく近しい人、親しかった人たちとの今生の別れが本当に多くて。

それは仕事でも同じで、これまで長年、毎年のように顔を合わせていた
クライアントさんのご家族が旅立たれて、残されたご家族と対峙する機会も多々あり、
やはり、それはタイミングが重なっているだけとは言え、
何とも複雑な気持ちになることも事実です。

長年続いた介護の末に亡くなられたAさんの娘さんご夫婦の場合は、
Aさんが息を引き取る直前まで病室で付き添い、その旅立ちを見届けることができたため、
「介護生活も含め、もう何も思い残すことなく、不謹慎ですが清々しい気持ちで一杯です。」と
仰っていたのが印象的でした。

はたまたご夫婦2人だけの生活を長年楽しんでおられたBさん夫妻は、
去年、旦那さんの病気が発覚し、色々な治療方法を模索されながらも
寿命という宿命には抗うことができずに、1人だけ残されてしまう形になった奥様。
きっとその胸中は他人が図り知ることができない複雑なものだと思います。

僕自身、ナカトリモチという職業柄、
色々な方の死別や旅立った側、残された側の人たちの狭間を
垣間見ながら、その現実と向き合う機会が多いのですが、
旅立ちにも、見送りにも、「これが正解」というものがないからこそ、
人それぞれが大切にしている生き方を積み重ねていければ理想的だろうなと
常々感じています。

あと家族間の死別、出会いと別れ、それに伴う心の距離感も然りで、
たとえ家族であったとしても、理想通りに全員が仲良く、手を取り合って
同じ思いでいることなんて、ほぼ不可能だからこそ、
相容れない相手とは、無理に仲良くするのではなく、程良いというより、
強制的にでも物理的、精神的な距離を置いて付き合うことも大切だと思うのです。

家族や親せきの年配者の死をキッカケに
遺産相続を踏まえた色々ないざこざが生じやすいのも、このタイミングで
親族の中で死別が発生すると、必ずそこで問題を起こす輩が現れるのも
この世の常。

これまで本心を隠していただけで、ここぞとばかりに本性が表れただけなので
ある側面では、そこで相手を見限る良い判断材料にもなりますよね。

家族だから、親族だから仲良くしなければいけない・・・という
家族神話、妄想、理想は心の中で抱く分には問題ありませんが、
現実問題として、この世の7~8割の家庭で、それが思い通りにいかない、
または思い通りにさせてくれない非常識な連中や問題児が出てくるものだからこそ、
現実を直視して、潔く心の壁、物理的な壁と距離を築き上げていくほうが
絶対に楽だと思います。

「仲良くなれない、上手く家族や親族をまとめることが出来ない私が悪い」ではなく、
「家族や親族といえども、話し合いにすらならない相容れない人が必ずいるもの。」と
現実を直視するだけで、随分と発展的なお別れが出来ることもよくあるものです。

ある1人の身内、近しい人の死別がきっかけで、
何かしらの問題、何かしらの問題児(大人の)が湧いて出てくるのも
本当によくあることだからこそ、
1つの固定概念に縛られず、もっと柔軟に、より自由に外へ羽ばたける心を
養っておくことも、様々な死別と向き合う意義の1つなのかも知れません。

近しい人との死別には良い意味で悲しい別れもあれば、心底胸糞悪くなるほど
悔しくて悲しい別れもあります。

僕はどちらも身内で経験済みですが、
そのどちらの経験も、今の自分自身が「最適な距離感とは」を意識しながら
日々の生活を積み重ねていくために大切な礎となっていることは
紛れもない事実でもあります。

身内であろうが、他人であろうが、
この世の中には、いくら心を寄り添おうと努力を重ねたとしても、
根本の生き方から相容れず、絶対に交われない人種が存在するものです。

そこに無理して関わることは本当に無駄なので、
そこはしっかりと潔く諦めて、心と物理的な距離を保ち、
健やかな心と体を、自分自身のため、そして周りで関わってくれる
大切な心ある人たちのために使っていく人生のほうが断然、心豊かでいられるものです。

僕自身、公私共に死別に関する事象が特に多い今年、
改めて自身の在り方を再確認しながら、より自分にとって最適な生き方を
構築している時期なのだろうな・・・と思う今日この頃です。

何はともあれ、台風10号、本当に厳重な警戒が必要だと思いますので、
本州にお住まいの皆様、くれぐれも気を付けてお過ごし下さいませ。


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