夢うつつの会話。~初盆に挨拶に来た故人~

山野本竜規

2024年08月19日 20:20



お盆休みも無事に終わり、また日常が戻ってきましたね。
今年は13日~15日が本土のお盆、16日~18日が沖縄の旧盆と
お盆が連続であり、少し慌ただしいお盆だったような気がします。

僕は8月11日からオンラインや土地家屋の鑑定・お祓いの仕事で
今日19日までずっと連勤で、ようやく明日が休み。
沖縄でもお盆休みの賑わいを感じながら、各地でお祓いに出かけて
仕事三昧の期間を無事に乗り切ったので、今は本当にホッとしています。

皆さんにとって、今年はどんなお盆休みになりましたでしょうか。
きっと今生のお別れをした故人を想い偲ぶ機会もあったと思いますが、
その想いは、見えない、聞こえないけれど、確実にあちらの世界の方々には
届いていることでしょう。


昨日は沖縄本島中部エリアで夕方まで仕事だったのですが、
旧盆最終日のウークイということもあり、
留守にしている玄関前の防犯カメラから、頻繁に通知が届くという
毎年恒例のイレギュラーが発生しました、笑。

防犯カメラは玄関前50cmに人が訪問して、人体検出を感知した際に
携帯電話にその通知が来るように設定してあり、
普通は誤作動を全く起こさないようになっています。

人体感知の設定範囲内も50cm以下なので、玄関のドア前に立たない限り、
絶対に反応しないシステムでもあるのです。

ところが昨日のウークイに限って、午前中から昼過ぎにかけて
5件の人体感知のお知らせが・・・。



リアルタイムで人体感知をした動画、写真は
すぐに外出先からスマホで確認できるようになっているのですが、
5件全てにおいて、どの写真、動画にも人っ子一人、映っていないのです。

実は今年、親せきや以前からお付き合いのあったクライアントさんなど
立て続けに鬼籍に入る方々が多く、その人数は5名。

僕自身、年を重ねるにつれて、お見送りをする機会が各段に増えてきたのですが、
特に今年は、そのお別れのお知らせを受けることが多かったのです。

そして沖縄だけでなく、本土にお住まいの方々も多かったので
「あぁ、偶然にも旧盆最終日のウークイ(本土の送り火)の日に
今年、亡くなられて初盆を迎える5名の方がご挨拶に来て下さったのかな。」と
とても微笑ましい気持ちになりました。

普段、誤作動を起こすことがない防犯カメラなのに、
旧盆最終日に5件の人体感知の知らせがあり、
偶然にも僕には今年、親せきや仕事で知り合いになった方々が
5名、鬼籍に入ったという知らせを受けていた・・・。

まぁ、たったこれだけのことかも知れませんが、
お盆という期間中、少しでもご縁があった親しい故人の方々を偲びながら、
穏やかに過ごしたり、一方的に語りかけるだけでも、
必ず、あの世にいる故人の方々には、その想いも届いているものでもあります。

僕も昨日のウークイ、お祓いの仕事から帰ってきて、
ゆっくり「もうこの世ではお会いできないけれど、こちらは元気に頑張っていますので
どうぞ皆さん、あの世での生活を楽しまれて下さいね。」と
心の中で静かに穏やかにお伝えして、お盆最終日を締めくくりました。

なんだか今でも、その穏やかな余韻を感じています。


話には続きがありまして、旧盆初日のウンケー(迎え火)の日は、
お祓いの仕事から帰る途中に、近所に住むクライアントさんから、
「庭で採れたバンシルー(グァバ)があるので、もしよかったら取りに来ませんか。」と連絡があり
ちょうど仕事終わりだったので、お邪魔して沢山のバンシルーを受け取りました。
Aさん、沢山のバンシルー、本当にありがとうございます。

バンシルーを食べる際、生前よくしてもらって今年初盆を迎える伯母や
同じく生前お世話になって今年初盆を迎える故人の方々に
「沖縄の珍しい果物、一緒にどうぞ。」と心の中で想いを届けて
美味しくバンシルーを頂いたのですが・・・。

すっかりそのことも忘れ、連日の仕事疲れもあり、その日は早めにぐっすり眠り
朝方、夢うつつの中で「へぇ~、こんな珍しい果物もあるんやねぇ~。」と
聞き覚えのある声というか懐かしい雰囲気、
その問いかけに無意識のうちに「そうやろう?」と
寝ぼけ眼の状態でムニャムニャ答えている僕自身がいて、
しばらくの間は、その夢うつつの会話を普通のこととして捉えていました。

まぁ、早朝の寝ぼけ眼の状態でしたし、ただ単に寝ぼけていただけかも知れませんから。

でも今、冷静に振り返ってみると、
穏やかに自然に会話をしていた、あの聞き覚えのある声は
今年初盆を迎える伯母だったのだろうな・・・と。

もう10年以上会っておらず、葬儀も仕事で参列することが出来なかったのですが、
僕が子供の頃は随分、お世話になって良くしてくれた伯母でした。

きっと誰でも、年齢を重ねていくにつれて、
肉親、他人問わず親しかった人たちとの今生のお別れと直面する機会が
各段に増えていくものです。

嫌いな人、生前、散々意地悪をされた人などを想い偲ぶ必要は全くないと
僕自身、個人的に思っているのですが、
その逆で、生前、親しかった人、良くしてくれた人、感じの良かった人など
好意的に思える故人に対しては、存分に感謝の気持ちを伝えたり、
「元気に頑張っていますよ。」とご報告をする機会を強く意識するのが、
お盆や春秋のお彼岸なのではないでしょうか。

何はともあれ、お盆期間中というものは、
この世の解釈で理解できないことが起こりやすい時期であるのは事実です。

そこにとらわれ過ぎず、無関心すぎず、
どちらもバランスよく受け入れながら、生前、ご縁があった親しい人たちと
心の交流が出来ればいいな・・・と感じた旧盆期間中でした。

旧盆が明けた今日の沖縄は、朝起きたらいきなり台風9号が発生して
今でも風が強いので、少々ビックリ。
低気圧に負けず今日の仕事も無事に終えたので、
明日は久しぶりにゆっくり休みたいと思います。

まだまだ各地で厳しい暑さが続きそうですので、
お盆休みの重い身体を引きずりながらも、ぼちぼち頑張っていきましょう。





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